about

　1908年、初代が大和郡山の材木商から独立して東神田に店を開きました。材木を扱う以外に木箱の製作をしていたことから次第に梱包業へシフトし、1968年に浜町へ移ってマイパック工業株式会社を設立しました。以降、木箱から段ボール製函へ、輸出用梱包と物流への注力、社名の変更などを重ねながら、海外の文化に関心の深かった先代のアイディアで1993年にドイツパンの製造販売（タンネ）を開業するに至りました。地域の方にはずいぶんと変わったことを始めたと珍しがられたものです。パン屋として扱った商品は優に200種を超えますが、中でもクリスマスシュトレンとブレッツェルについては日本での先駆けと言ってよいと思います。

　さて、製造業拠点が海外へと移ったのを受けて梱包業を廃業、ドイツ製の製パン機器類が30年を超えてメンテナンス不能に陥ったのを受けてタンネも2023年閉店しました。しかし現代は「モノ」や「サービス」の提供方法にさまざまな可能性が広がっています。例えば外部の優秀な作り手さんの手を借りることもできるし、弊社が蓄積してきたノウハウから新しいレシピを第三者に提供することもできます。創業以来度重ねて事業内容を変更してきたように見えながら実は、社内外の何と何をどのように繋いで事業として発展させるのかという工夫において、弊社は一貫したオリジナリティと企業努力を続けてきたつもりです。

　2024年春、浜町の社屋と別館をひとつの「家」と捉えなおしたリノベーションが完成しました。そのなかで提供するアパートや店舗（STUDY）といったサービスのほか、外に向けてはデザイン設計・コンサルティングという重層的なサービスを展開してまいります。

　ちょっと一服のコーヒーから事業サポートまで、この街にあってよかったと思っていただけるような安心感と同時に、ある時はドキドキするような提案で、小さいながらも存在感を発揮する企業でありたいと願っています。

代表取締役　佐藤由木子